息子が療育機関に通い始めた頃
毎年4月2日の世界自閉症啓発デーに合わせて、東田直樹さん(ブログ)(オフィシャルサイト)が13歳の頃に執筆された『自閉症の僕が飛び跳ねる理由』をベースにしたドキュメンタリー映画『僕が飛びはねる理由』が映画館で上映されています。
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息子を療育機関へ通わせ始めた頃、療育機関にこの映画のポスターが張ってあり東田直樹さんの存在を知る事になりました。息子が3歳ごろで、まだ発語がなかったころです。
当時の息子との後悔の記憶
当時、息子は音が鳴るボタンへ強い執着がありました。今でも時々思い出すのですが、息子と一緒にお風呂に入った時の事です。湯船の温度が低くなったために湯船の横についているボタンで『追い炊き』を押しました。ボタンを押すと『オイダキシマス』と音声がなるタイプのシステムバスでした。
それまでは、息子はシステムバスのボタンを数回押すことはあっても、他のおもちゃなどに興味をそらすことで執着をごまかしていました。
その日はボタンへの執着が止まりませんでした。息子がボタンを押し始めてたら、いつものように他のものへ誘っても見向きもしません。ボタンを押し続ける息子に『壊れちゃうからやめよう。』などといってみても、逆に笑ってボタンの押し方がひどくなります。
家中に『オイダキシマス』の音声が鳴り続けます。私はどうしていいかわからなくなり、息子を『やめろ!』『何でわかんないんだ!』と怒鳴りました。
私の怒っている声や顔にビックリした息子は泣き出して、ボタンの連打は収まりました。
しかし、その後、怒鳴る手段に出た自分を激しく後悔しました。『息子が何を考えているのか分からない』、当時どうしようもなく、もやもやしている自分がいたことを覚えています。
映画の上映開始後すぐに映画館へ
そんな時に息子を通わせていた療育機関に映画『僕が飛び跳ねる理由』のポスターが掲示されました。それを見た瞬間、息子を理解するきっかけをくれるに違いないと思い、映画館のレイトショーを見に行きました。
映画は東田さんの本『僕が飛び跳ねる理由』の言葉を上手にビジュアル化していて、自閉症の方の住んでいる世界の一部を紹介しているかのようでした。また、複数の自閉症の方とその家族が紹介されていますが、その家族が私と同じく『子どもがどのように物をみているのか知りたい』と言っていたのが印象的でした。
息子の住んでいる世界
この映画で息子の考えが分かるようになったのか?と問われれば、そうはなりませんでした。
しかし、私が何気なく息子に話し掛けている会話が、息子が聞き取って、言葉としてとらえて、理解するということが、ひょっとしたら、息子にとってかなりしんどい事になっているかもしれないという事を理解するきっかけになりました。
また、一見全然違う方を向いていたり、手を叩き続けている重度の自閉症の方々がしっかりとした考えをもっているという事にも驚きました。
息子は発語がなく、音の鳴るおもちゃをぐるぐるずっと回しているけど、心は育っているかもしれないと思えたきっかけとなった映画です。
東田直樹さんを知って欲しい、映画も見てほしい
私は東田直樹さんやこの映画は自閉症の人に係わる人たちが見ても気づきをくれるものだと思っていますが、もっと広い世代に興味を持ってみてもらえたらなと思っています。
電車の先頭車両にいるちょっと変わった子、近所にいるぶつぶつ、つぶやいているおじさん、その人どなりが分かるだけで、いじわるな事をしなくなれる人が増えるのではないかと思っています。
東田直樹さん、応援しています!
最後に
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